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​ニライカナイ

天国、極楽、ユートピア、西方浄土、、、言い方は違っても、

世界中の人々は、今生きてる世界とは違う、

理想の世界を夢見てきた。

沖縄では、それが南の海の向こうにあるという

幻の島、ニライカナイ。

その場所が生まれる背景には、

ままならない現世の憂さがあるのだろう。

八方を海に囲まれた島で暮らす沖縄の人たちが、

海の向こうにその島を思い描いたのは、すごく自然のことに思える。

琉さんは歌う。届かない島だと歌う。

心の中にしか存在しない島かもしれない。

だけど、その島があると思うことで、

日々を強く生きていくことができる。

だから、この唄は、優しく強く、心に響くのであろう。

ティダの光を浴びて、波をかき分けて、

永遠に届かないニライカナイを目指して、人は生きていく。

届くことが大事なのではない。

目指すことが大事なのだ。

そのためにニライカナイはあるのだ。

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